伊良湖岬でポタリング

伊良湖岬は渡り鳥の中継地になっていて、秋の渡りのピークには、上昇気流を捉えて無数のタカが飛翔する「タカ柱」が見られることがあり、全国からバードウオッチャーが集まります。

豊橋駅まで輪行してサウナで仮眠。4時半過ぎに走りだしたので岬に着く前に夜が明けました。

周囲には電照菊のビニルハウスがたくさんありました。菊は昼の長さが短くなると花を咲かせる短日植物なので、電気で照らして花の咲く時期を人工的にずらしています。

サーフィンの国際大会も開かれるという赤羽根海岸には早朝からサーファーの車がぎっしりと並んでいました。6〜7月にはこの近辺にアカウミガメが産卵に訪れることもあるそうです。

太平洋岸自転車道経由で恋路が浜駐車場に到着。双眼鏡、フィールドスコープ、超望遠レンズ、自作の双眼望遠鏡、肉眼、みんなそれぞれのスタイルで空を見上げていました。

東の山の方から数羽〜十数羽の群がいくつも湧き上がり、観察地の上空を次々と通過します。「出た出たタカ柱出たー!!」「サシバ!7、8、9・・・15!」「チゴハヤブサだ!」・・・遠すぎて写真はうまく写せなかったので、双眼鏡で虚空に輝くタカの姿を目に焼き付けました。段違いのスピードで飛ぶハヤブサがカッコ良かった。

ヒヨドリは大きな群れになって海を渡ります。小鳥にとって身を隠す場所のない海の上はとても危険で、何度も海へ向かっては怯えるように陸に引き返したりして、やがて意を決したように海面ギリギリを渡ってゆきます。

田原市観光協会東三河自然観察会主催のエコツアーに参加。鳥類、景観、蝶と蛾、植物のそれぞれの専門家が解説してくれる贅沢なツアーでした。トビは参加者のお兄ちゃんと同じくらい、サシバは弟くんと同じくらいの小型のタカ。尻尾の形や羽根の色で種類、雄雌、幼鳥かどうかなどを判別できます。
冬を東南アジアなどで過ごしたタカは春に再び本州に帰ってきますが、旅の途中で力尽きるものも多く、無事に帰ってくる個体は少ないのだそうです。タカの渡り全国ネットワークによれば、この日恋路が浜駐車場で観察されたワシ・タカは1000羽を越えました。

アサギマダラも秋になると南西諸島や台湾まで南下、繁殖した子孫が春に北上します。ヒヨドリバナ属の花の蜜が大好物だそうで、観察会でもサケバヒヨドリの花で盛んに吸蜜していました。先生が事前に捕まえた3匹と、観察中に捕まえた1匹に参加者がマーキングをして放しました。アサギマダラの移動調査ネットでは再捕獲や移動情報が共有されています。

伊勢湾海上交通センターの一般公開を見学。管制棟に「S」の文字が表示されるときは、全長200m以上の巨大船が航路を通過するため、入湾(北航)する大型船は待機しなければなりません。

水色は湾から出てゆく船、白色は入ってくる船の情報が表示されています。行き先は国内の港のほか、カタール、韓国、オーストラリアなど様々でした。

船が行き交う伊良湖水道の上空をサシバが、低空をヒヨドリの群れが次々と渡って行きました。

灯台茶屋でご飯を食べてからポタリング再開。渥美火力発電所には巨大な5連風車があります。

のどかな畑の横に廃墟のような建物が。調べてみたら旧日本軍の陸軍技術本部伊良湖試験場の施設跡とのこと。左の廃屋のようなのは無線電信所、右の高い建物は気象兼展望塔。

左は伊良湖射場の正門哨舎。草に埋もれるように公園の奥にあった施設は脱油庫だそうです。

標高250mほどのちょっとしたヒルクライムで360度の大展望が広がる蔵王山の山頂に到着。天気が良いと富士山まで見えるらしい。夜景とかきれいだろうなー。右はレクサスなどの高級車を生産しているトヨタ自動車の田原工場。自動車運搬船が停泊しているのが見えました。

ここでも風車が勢いよく廻っていました。風力発電と言うとエコなイメージですが、近くにいるとものすごい騒音(風切音)がするので各地で建設の反対運動が起きていたりします。

西の空に日が沈んで、

東の空から月が昇り、

豊橋極楽湯で汗を流してから輪行で帰宅。

時刻

走行データ

  • 走行距離:139.6km
  • 平均時速:21.9km/h
  • 最高時速:49.9/h
  • 走行時間:6h22m29s

走行ログ