焼津〜新金谷〜相良油田〜浜岡原子力館

東海道本線焼津駅からスタート

駅前の記念碑には『世界第二次大戦によって潰滅的打撃を受けた焼津の水産業は鉄道により再び蘇生し今日に至っている』とあります。

焼津では戦時中に多くのマグロ漁船が徴用されて、その多くが戻りませんでした。

大きな地図で見る
ポツダム宣言が発せられた1945年7月26日、漁船のエンジンを作っていた赤坂鐵工所の近くにパンプキン爆弾(模擬爆弾)が落とされました。また、ビキニ水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」の母港でもあり、歴史民俗資料館には関連の展示があるようです。

アキアカネの乱舞する石津浜では、お盆のお祭り「とうろん」の準備中でした。手前の大きな物体は竹と松葉で作られた松明だそうです。

海岸沿いをしばらく走ってディスカバリーパーーク焼津天文科学館に到着

庭先には電波望遠鏡、屋上には直径80cmの反射望遠鏡が設置されています。

法月惣次郎氏は海軍島田実験所からの仕事を手始めに、400台以上の望遠鏡製作を手がけた人物。遠洋漁業の盛んな焼津には船の修理やエンジンの製作を手掛ける会社などもあり、高い技術を持った職人たちが戦後の復興と科学技術の発達を陰で支えていました。

あっ!星がうまれる (科学まんがシリーズ)

あっ!星がうまれる (科学まんがシリーズ)

望遠鏡をつくる人びと (岩波科学の本)

望遠鏡をつくる人びと (岩波科学の本)

電波天文学の黎明のお話には興味深いエピソードがいろいろ

科学館の屋上より

海岸沿いの工場には海面からの高さが記されていました

航空自衛隊静浜基地パイロットの訓練に使われています。

2012年5月の静浜基地航空祭の様子だそうです。ヘリコプターの機動すごい...


大井川を上流へ向かいます。東京タワーの生産工場?

蓬莱橋は世界一長い木造の歩道橋。wikipedia:大井川は非常に読み応えがあります...

ちょっと怖いので押しました

特種東海製紙の煙突のある場所がかつての海軍島田実験所。電波兵器の開発には大量の電気が必要なため、大井川水系水力発電所からの電気が使えるこの場所が選ばれたようです。

海軍技術研究所―エレクトロニクス王国の先駆者たち (光人社NF文庫)

海軍技術研究所―エレクトロニクス王国の先駆者たち (光人社NF文庫)

後にノーベル賞を受賞した朝永振一郎、テレビの父と呼ばれる高柳健次郎、すだれコリメータを開発した小田稔など、錚々たる科学者や技術者が兵器開発に従事していました。

大きな地図で見る
焼津と同じ1945年7月26日、島田にもパンプキン爆弾が投下されました。
明日までつづく物語―ぼくたちの町の戦争

明日までつづく物語―ぼくたちの町の戦争

地元の高校の先生による丹念な調査記録

大井川鉄道新金谷駅蒸気機関車などを見学。


併設のプラザロコにも軽便鉄道で活躍した蒸気機関車などが展示してありました

昼食後、充実した内容の公式ガイドブックを購入するなど

牧之原台地への激坂を登ると

眼下には大井川

牧之原台地上では所々で水道の施設を見かけます

大井川の水がポンプで汲み上げられて、総延長80km以上、約5000haの畑に供給されています

「大井海軍航空隊之跡」の碑

牧之原コミュニティセンターにある星型エンジン「天風一一型」


敗戦後はGHQの指令により航空機や原子力の研究が一切禁止され、航空機やサイクロトロンも全て破壊されました

女神山は石灰岩の山

男神山も同じく石灰岩が浸食されずに残ったもの。付近ではプレートの圧力のために地層が上に凸の背斜構造となっていて、特徴的な地形・地質が見られます。

油田の里公園。夏休みの高校生がBBQをしていました

公園内にはユーカリやオリーブなど、油のとれる植物が植えられています

公園内の油田資料館を見学

「浪士」石油を掘る―石坂周造をめぐる異色の維新史

「浪士」石油を掘る―石坂周造をめぐる異色の維新史

明治から昭和30年の事業停止まで採掘されますが、相良油田の最大年間産出量(721キロリットル)は現在の日本の1日の消費量(約70万キロリットル)に全く足りません...

明治時代の手掘石油井戸を再現したもの。実際の井戸の深さは70〜100mとのこと

相良油田から産出した石油は非常に良質で、精製せずにエンジンが動いたそうです

油田坑の周辺には油の匂いが漂っていました

のどかなお茶畑に立つ巨大な鉄塔

大きすぎて現実感がありません

お茶畑の坂道を下って

浜岡の原子力館を見学


実物大の原子炉。すごく大きいです...

沸騰水型原子炉

僕らは星のかけら 原子をつくった魔法の炉を探して (ソフトバンク文庫)

僕らは星のかけら 原子をつくった魔法の炉を探して (ソフトバンク文庫)

燃料のウランは、太陽系生成以前に超新星爆発で出来たもの

総工費1000億円をかけた防波壁の実物大模型などもあり

原子炉は現在停止中。防波壁の工事が急ピッチで進んでいました。

R150を西へ。かつては静岡鉄道駿遠線が走っていたところ

菊川を渡って

遠州掛川風力発電所の巨大風車群。ブレード直径82m、全高119m、一基最大2000kW

...

旧陸軍の遠江射場跡を見学(砲座?)

古めかしいトンネル(防空壕?)

風車と電柱と戦争遺跡

ここも旧軍の施設のようです

他にもいろいろ見たかったけど、R38経由で帰ります

掛川駅で撤収して帰宅。御前崎に宇宙船?が漂着したという話題は後で知りました。

時刻

走行データ

  • 走行時間:5h36m21s
  • 走行距離:104.46km
  • 平均時速:17.5km/h
  • 最高時速:50.4km/h

走行ログ