松本仁一『アフリカ・レポート』

ORAP(Organization of Rural Associations for Progress)は先進国主導ではなく、地元のジンバブエ人による純粋な地域NGOである。一九八〇年の独立の年に、ブラワヨの旧家の主婦、シテンビソ・ニョニが、旱魃地帯の農民の自立を支えることを目的として設立した。〜ORAPの特徴は「ただで物を配る援助は絶対にやらない」という点にある。ただの援助は農民を堕落させるだけだから、とディウェニはいう。

佐藤は「がんばって働けばいい暮らしができるという励み、働く励みになるものを、目に見える形で示すことが大切だ」という。無償の援助は役に立たないし、自立を損なうからやめた方がいい。それよりも、努力が報われるシステムを保証すべきなのだ―。

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書)

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